ちょっと前まで定番品にあった木軸鉄刀木・木軸黒檀と同じタイプのものです。鉄刀木・黒檀はすでに廃盤となっており、現在は銘木スタンダードシリーズに移行しています。かつてはブライヤーの他にキングウッド、パラキンウッド、花梨、ココボロ、黒柿、積層材といった多様な材を用いたものがあったようです。ブライヤーだけでもクロ・アカ・コゲチャ・チャで4種類だったかな?
キャップは勘合式でしっかりしており、尻軸に挿しても安定しています。軸はクリア塗装されており、インク汚れも拭けば落ちるようになっています。現行の銘木スタンダードシリーズは無塗装仕上げなので趣もだいぶ変わります。
天冠が軸と同じ素材であるところも旧型の特徴のようです。新しいものは金属ですっぽり覆った形になっています。この万年筆は天冠部分に接着剤の経年変化による変色が見られます。
キャップの固定には金属の部品を使っていて、キャップ内部にあるプラスチックリングの伸び縮みで固定する現行品に多いタイプよりもカッチリしているように思います。部品点数が多く、製造にも手間がかかっていたのだとか。
ペン先は最近あまり見掛けない爪形ニブ。^字の象眼がついています。ペン先はこのタイプの中でも旧型の18k、JISマーク入りで字巾表記は4(中字)。後のものは21kだったり750(750‰=18k)の刻印があったり字巾がローマ字表記になっているようです。もっと前は23kのものもあったのだとか。
ペンポイントはスパっと面が出ています。特に調整などしておらず、販売当初のままでコレです。一般的に世界の銘木シリーズはガチニブという噂ですが、時代によるものか、これはわりと柔らかいように思います。
極黒のカートリッジを挿しています。ペンポイントの研磨具合からもわかるように、筆記角度が一致したときのぬらぬら具合は目を見張るものがあります。ずっとらくがきしていたくなるような書き味です。
0 件のコメント:
コメントを投稿