2012年8月12日日曜日

ペリカン コンチェルト

ペリカンの限定品コンチェルトです。

 リサイクル紙の箱に入っていました。

 側面にシールが貼ってあります。シリアルナンバーは2267、字幅はFです。

 質素な箱の中に青い外箱が入っていました。

 外箱にもシールが貼ってあります。

 付属の説明書兼保証書です。検品者と思しきサインが入っていますね。

 内容もコンチェルト向けになっています。

 サービスカードが入っていました。

 小冊子も入っています。

 内容はコンチェルトの素晴らしさについて。書体や印刷の調子がいかにもこの時代といった感じです。

 過去の限定品についての紹介もあります。ハンティングかっこいいなー。

 外箱を開けると、布製の袋が出てきます。後述の化粧箱に傷を付けないためのものだと思います。

 ピアノを模したという光沢塗装の化粧箱です。実家にあったアップライトピアノを思い出します。一切調整してなかったなぁ…。

 裏には足がありますが、さすがに経年劣化していました。

 化粧箱の中です。内張りはやわらかい布をゆったりさせたようになっています。

 シリアルナンバーを書いたプレートも入っています。



 さて、肝心の万年筆です。コンチェルトはM800ベースの限定品で、1996年に4000本が作られました。胴軸はM900トレドと同様に925‰のスターリングシルバーへおそらく食刻で模様を作り、金メッキを施した上に青い塗料を流し込んていると思われます。

 M800はいわゆるプリント天冠のM805青縞とM800赤縞を持っていますが、トレドタイプの金属軸は初めてです。ペリカンではインク窓も初めてでして、やはり窓があるとインク残量が一目でわかりますね。縞軸はインクが見えないこともありませんが、残量確認に使えるかというと実用的ではありませんでした。ペリカンのクチバシを模したクリップの付け根にシリアルナンバーが刻印されています。

 ペン先は先述したように細字のF、PFの刻印が入っています。PFの刻印が入ったペン先は現行のものと書いた時の感触が違うと言われますが、実際書いてみたところなるほど弾力が違うかなと感じるところです。

 最大の特徴である、「ベートーヴェン交響曲第9番第4楽章 歓喜の歌」の一部です。あの、天上の楽園の乙女がどうとか神の計画がどうとかケルビムが神の前に立つとかそういうアレですね。私は音楽的素養が全く無い人なのでいまいちよくわからないのですが、どちらかというとクラシックよりはZABADAKの遠い音楽をイメージしています。ちなみにダイナモは回す側です。

 模様は4面、楽譜と植物?の模様が交互に配されています。この模様って何が由来なんでしょうね?この部分は少々の段差があるため、手に持ったときに滑り止めになります。また、キャップが軽く胴軸が重い構成なのでフロントヘビーな重量バランスとなっており、ペン先をコントロールしやすいような感覚があります(私はリアヘビーでもそんなに問題無く書けますのでこの点そんなに気にしておりませんが)。

 この時代のペリカンらしく、天冠はプラスチックに金属のペリカン、尻軸にも金属パネルが入っています。現行品の金属天冠は好評のようですが、私はこのタイプの天冠が最も綺麗だと思っています。

 トレド系万年筆は初めて持ちましたが、巷で言われるように筆記時のバランスは目を見張るものがありますね。金属の質感も良いものです。トレド系限定品には四神やハンティング、オーストリア1000などいくつかの種類がありますが、コンチェルトは4000本という限定数もあってかこの中ではだいぶ割安な価格で購入できる場合が多いようです。新品でM900トレドを買うことを考えると半額以下ですので、ペリカンの金属軸を持ちたいという方にもお勧めできるかと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿